サブレを焼く

zabbon2006-04-19

この前の週末の話。
明確な理由もなく、バター含有量の高いクッキー(サブレというらしい)が食べたくなった。しかも、買ったのではなく、自分で作ったものが食べたい。(ちなみにサブレはフランス語で、英語ではショートビスケットという、との記述も見かけたけど、明確な規定はないみたい。)
でも、うちでは家族がバターを嫌いなので、冷蔵庫にはバター類はほとんどない。1個ずつ包装したの×10個入りが、冷蔵庫の奥の方にポツンとあるくらい。
なので、早速、買いに行く。
狙いは、カルピスバターなどの高級バター。辛党のzabbonがお菓子作りの欲求に駆られることなんて、ごく稀、かつ貴重な機会なので、ここは、そのくらい奮発してもバチはあたるまい。
陳列棚で目についたのは金谷ホテルのもの。そういえば、このホテルのクッキーはウマかったなあ、などと思いつつ、値段を見たら赤札だったので、即、買い物カゴへ。消費者がたくさんの種類の商品の中からたった1つのものを選ぶ理由など、実にたわいないものである。
しかし、ショックなことに、家に帰ってから見直してみたら、バターではなくマーガリンだった。225gで310円もしたのにバターじゃないんだ…。よく確認しなかった自分が悲しい。
でも、気を取り直して制作に着手。バターもマーガリンも似たもの同士さ。
家にあった小麦粉を量ったら300gちょっと。これが全て。
なので、小麦粉300g、バター(マーガリンだよん)225g
すごい、この比率。
これまでの人生を振り返り、こんな破格比率のサブレは作ったことがない。小麦粉が300gならバターはせいぜい100g弱である。粉がパサパサしてまとまらなかったら、ミルク等々でだましだましまとめあげたものだ。バターは高いし、それ以上に、母親の「もったいない」攻撃が脅威だったから。
なので、今回の欲求は、もしかしたら、少女時代のバタートラウマを解消するためのだったのかも、と刹那に思う。
いずれにしても、この黄金比率のクッキー生地はすごい。
今にも絞り出せそうなトロトロ感。型抜きがないので(石けん作りのと共用はよろしくない)アイスボックスタイプにしたが、包丁で切るたび、早くも表面に気泡が見えてくる。
そして、焼き上がったのがこれ。
オーブンの中で、少しふくれたあと、だんだんとキツネ色になると共に、香りがプワーンと漂ってくる。家中、いいにおい。目をつぶって胸一杯に香りを嗅ぐ。
焼き上がりのアツアツをかじると、当初の欲求がスーッと満たされ、更に、「幸せ感」が遠くの方からzabbon目がけて駆け足でやってくるのがわかる。
こういうのが食べたかったんだ!マーガリンでも全く問題なし!ものすごくおいしい。
ブランデーと一緒だと、尚おいしい。
作って良かった、と家族と一緒にパクパク。
週明け、幸せはお裾分けするもの、と殊勝な考えの下、職場の仲間に持って行ってあげたら、真のおいしさ+キャラとのギャップで、大絶賛。
自分がおいしいのもいいけど、身近な人の喜ぶ顔も悪くない。また作ろう。