良心をもたない人たち〜25人に1人という恐怖〜

想像してみて欲しい−もし想像がつくなら、の話だが。
あなたに良心というものがかけらもなく、どんなことをしても罪の意識や良心の呵責を感じず、他人、友人、あるいは家族の幸せのために自制する気持ちがまるで働かないとしたら。
人生の中で、どれほど自分本位な、怠惰な、有害な、あるいは不道徳な行為をしても恥を全く感じないとしたら。

という書き出しで始まるこの本を手に取ったのは、2〜3ヶ月前のこと。
最近のニュース、とても暗い。しかも、この「最近」は年単位の最近である。昔に比べて顕在化するニュースが増えたから、などという分析もあるようだけど、それにしても、「なんでそういう犯行に至ったのか」という理由を解明してくれていない。少なくとも報道されていない。たぶん、次のニュースを流すのに忙しいから。
で、人の心理というところから、1つの解を示しているのがこの本だと思う。
冒頭の書き出しのように良心を持たない人達のことを「サイコパス」と言うのだそうだ。
最近の犯罪は、学識経験者が、親が身勝手のせい、学校の無責任がいけない、貧しささえなければ、いやいや国が…などなど、それなりの理由づけを展開しているけど、この「サイコパス」という見方も重要な切り口なのではないだろうかと思う。
そういえば、ここ最近の犯罪者の行動の背景には良心などというものは見あたらない。あるのは、良心があるように装うだけの小賢しさと恥知らずな行動力。
この本では、なんで人がサイコパスになるか、という点については、遺伝子説や生長環境説などいくつか提起しているけど、結論は明記していない。それよりも「なんでサイコパスがいるの?」とギモンに思うことよりも、「程度の差はあれ、こういう人もいるものなんだ。用心しろ!」と警告している。
zabbon的にはとてもいやな見方だけど、心の端っこに置いておこうと思った。


良心をもたない人たち―25人に1人という恐怖