柏餅

zabbon2007-05-05

5月5日はこどもの日。
格調高く言いたい時は、「端午の節句」。 
端午の節句といえば、その昔、初代の犬家族であった黒いボクサー(←通常ボクサーは茶色。これには深いわけが…)の名前が、 「タンゴ」 という名前でした。なので、端午の節句=タンゴの節句と信じていたzabbonにとって、この黒いボクサーは、誠にうらやむべき存在だったことを思い出しました。
まぁ、こどもの日であろうと、端午の節句であろうと、何でもいいんですが、はずせないのが柏餅
イベントにつきまとう料理やお菓子って、ズバリその日に口にしないと、いかにも間の抜けたものになるものです。例えば、夏のおせち料理、11月のひなあられ、冬のお月見団子等々、枚挙にいとまがありません。例外といえば、秋のぼた餅(or春のおはぎ)くらいでしょうか。
何事につけタイミングは大切ですが、こと季節イベントに伴う食物については、このように、より一層の注意が必要です。
この訓戒を頑なに守り、今年も食卓に柏餅をのぼらせました。
今回は、白いお餅にくるまれた粒餡です。(本当は、ピンクの味噌餡もものすごーく好き。けど、今日のこの日はこれ。しかし、ピンクの白あんも近々リベンジを決意中)
で、柏の葉っぱをペロリとむくと、中からツヤツヤと白く輝くツヤを湛えたお餅が重量感と共にご登場。 これを、柏の葉っぱで、食べやすいように持ち直してからガブリ、といくと…! ひんやりしたお餅とそれよりも仄かに温かみのあるあんこの温度差が、滑らかな食感を際立たせます。そして、間隙を突いて立ち上る柏の香り。 
「そうそう、これこれ!」の瞬間が訪れます。
これを楽しむには、決して黒もじなんかで上品に頂いてはいけません。やはり、ハンバーガーのように「ガブリ」と食いついて然るべき、無礼講的節句菓子です。
柏の葉っぱの存在理由は、そこなんだと、手前勝手な解釈。


ところで、柏餅に柏の葉っぱを使う、そのワケは、 「柏という木が、新芽が出るまで古い葉っぱが落ちない、すなわち、家系が絶えない」 (←にわかネット仕込みの知識)からなんだそうですが、日本人らしい発想やなぁ、とあらためて感心。 
ん、でも、昔の人は、森羅万象・生きとし生けるものに自らの人生観を重ね合わせ、共に生きようとしていたってことかも。 これも花鳥風月を愛でて愛する心のゆとり。 誠によいではないか。
とはいえ、ひとたび、こんないわれや来歴を作ってしまうと、庭の柏の木が枯れちゃったりした時が一大事なんじゃないかと、人ごとながら心配になります。 もしや、短からぬニッポンの歴史の中で、庭の柏の木を枯らせてしまったばかりにお手討ちになってしまった庭師も少なからずいたのではないか、と余計な想像も…
「あんまり深く考えすぎずに、おいしいものをおいしく頂きましょうよ〜!」と、昔日の心配性の方々にお誘いをかけつつ、自らはおいしく頂いてしまった端午の節句の柏餅でした。