不信のとき

最近、なぜか、ドラマの原作ものを読むことが多いです。
さっき、読み終わったのは、米倉涼子松下由樹が、赤と黒のウーマン対決をしている「不信のとき」の原作の小説。
白夜行の時もそうでしたが、なぜか、周りから「読まない?」って回ってくるのです。きっと、感動を共有したいんだと思います。そうすると、他に読もう、って思っている本があっても、読んでみたくなるので、ついつい借りて読んじゃいます。不倫ものや浮気ものなんて、読むだけ時間の無駄って、わかっちゃいるけど、なぜかスルーできないんだな。
女性週刊誌的「隣の不幸は蜜の味」なんだろうな、なんて心理分析。
しかも、これって「架空のお話し」。これが、本当にあった話、となると、ちょっとした罪悪感に駆られて、のぞき込むのは及び腰になりますが、そんな心配ありません。まるで誘蛾灯に引き寄せられる夏の羽虫みたいに、フラフラと近寄ってしまいます。
何なんでしょう、このテのストーリーの、この類の誘引力って。
とにかく、読みながら、HPにだけは行かないように注意していました。前に、白夜行を読んでた時は、HPを迂闊に見てしまったせいでネタバレしてしまい、大ショック、という苦い思い出がありましたので。

小説を無事に読み終わってから、あらためてHPで、あれこれ見てみましたが、そこでの記載を読む限りに於いては、設定こそは21世紀の現在に置き換わっていますが、大体、原作通りのようです。
ドラマでは、米倉涼子(妻)=赤、松下由樹=黒の構図ですが、小説を読んだ印象では、前者は藤色、後者が水色、という感じ。対立と調和の両方のイメージです。
小説の前半では、作者の神の目線から軽んじて描かれていたこの2人。
でも、結末は、というと、さすが有吉佐和子です。「複合汚染」の作者の底力です。これが作家の力量というものでしょう、というくらいです。
zabbohは、もう、この先のTVドラマを見るつもりはないけど、それにしてもかなり期待できそう。見ている友人からの報告が楽しみです。

不信のとき〈上〉 (新潮文庫)   不信のとき〈下〉 (新潮文庫)