若草物語を読むようになったワケ

今、あろうことに、あの少年少女向け名作の「若草物語」を読んでいます。
何やら、アニメでも数年前にやっていたようで(ご丁寧に、「続・若草物語」まで制作されたようですが)、そのせいか、はまぞうで検索すると、そのイラストを使った小・中学生向きのものが続々と出てきますが、今、zabbonが読んでいる新潮文庫のはなかなか出てきません。 300件以上もある該当情報の後ろの方にあるに違いありません。 なので、はまぞう情報はなしです。 
で、なんでこのような善男善女向けの古典文学を、大の大人になった今、読むようになったかというと、ことの始まりは、英語の勉強です。
今年の2月にオーストラリアに行った際、あまりにも英語が理解できない・通じないことを「これはよろしくない」と反省、旅行から帰った直後から、お蔵で待機していた(=お蔵入りさせられてた) 「七田式 超右脳英語トレーニング」を教材に勉強を始めたのでした。 
この教材、数年前、八重洲ブックセンターのビジネスブックコーナーに大々的にプロモーションされているところに行き合い、これまで耳にしたことがない「右脳式」という切り口に希望を見いだしたような気になり、未来への大きなビジョンを描きながら購入したものです。CD付きの良書です。 
七田式超右脳英語トレーニング

この本、英語嫌いのヒト向けに、かなりの工夫がこらしてあります。 
一般のCD付き英語テキストブックと同様に、英語の文章と音声がセットになっているのですが、この英文ストーリーがうまいこと選ばれていて、「トム・ソーヤの冒険」とか「王子と乞食」といったような、多くの日本人にとって既知であり、かつ、少年少女向けのラインナップになっています。 つまり、「一見、簡単そう」と迂闊にも思いこませてしまうような作りになっているわけです。
でも、先入観の垣根を低くするのは、決して間違ったアプローチではないと思いますので、これはこれでいいと思います。
で、お蔵からこのテキストを出してきたzabbon、2度目になる今回は、前と違うストーリーを選びました。それが「若草物語」だったのです。
テキストは、
 Chirismas wonn't be Chiristmas without any presents.
という一文から始まります。 若草物語の全部を知らなくても、ここだけは知っている、という人は多いと思われる、あまりにも有名なこの出だしのところからです。 
そして、テキストに載せられている範囲は、この、ジョーの「贈り物しないならクリスマスったってクリスマスらしくありゃしないよ。」という出だしのセリフから始まる四姉妹がブツブツとなんだかんだと不満を言い合うところを経て、「コセコセしたおばさんの相手をするのは、窓から逃げ出したくなるくらいイヤになる」というジョーのセリフまで、です。
確かに、勉強のための英文としてはよいものです。 当初は一生懸命勉強しました。 1ページ分なら口をついて出てくるまでに覚えました。が、どうも面白くないのです。 話の続きが気になるからです。にも関わらず、同じところばかり、何度も読まされたりしゃべらされたりするのは、案外苦痛なものです。 しかも、朝の15分という貴重な自由時間です。 英語以外にもできることや、すべきことはたくさんあります。 石けんのカッティングの方が英語より楽しいのは言うまでもないでしょう。
そして、1ヶ月後、七田式はまたもやお蔵にお戻りになりました。
けど、残ったことがらもあります。
若草物語」の続きが、やはり気になって気になってしかたないのです。 かといって、買ったり図書館に行って借りるのも、この場合、なんとなく違う気がするし…、と数ヶ月、もんもんとしていたら、この前、実家で見つけたんです。 新潮文庫版の「若草物語」。 これぞ天の配剤よ。
冒頭の例のセリフ、「プレゼントのないクリスマスなんて、実際意味がないわ。」 からちゃんと始まっています。 そうそう、これこれ。
でも、フト思います。こういう展開、前にもあったような…。
そうそう、あれあれ、「赤毛のアン」! 今回と同じパターンで「アンの愛情」(これまた新潮文庫)まで読んじゃったんだっけ。 あの「赤毛のアン」の英語テキスト、どこ行っちゃったんだろう…。 
やっぱ、言葉って言うのはツールに過ぎず、大切なのはコンテンツなようです。 なので、英語テキスト制作会社さんに要望したいのですが、名作の一部を教材に使うのはやめてもらいたいものです。 話の続きが気になるのにエンドレスに同じところを読まされるのは蛇の生殺しです。 とはいえ、それを途中放棄の理由にするのは大いに筋違い、ということは自分でもわかっておりますが…。
で、言葉といえば、新潮文庫版の冒頭のセリフ。 ずいぶんと七田式テキストの日本文とは違うみたいってことに気づきましたが、ここまででずいぶんと長くなってしまったので、続きは、気が向いた時に書くことにします。