おじさま達が飲んでから帰る理由

zabbon2008-02-21

夕方、仕事を終えて、帰ろうとしたら、Aおじさまとお友達が連れ立って呑みに行くところでした。 このふたりはとても仲良しで、ほぼ毎日、帰りがけに連れ立って、同じお店に行くのです。だいたい6時半から7時の間。
いつもは、「『おサケに失礼します〜』ですね!」なんていって、理解と慈愛のこもった視線で見送ってあげるのですが、今日は、気が向いたので一緒に行くことにしました。
行ったお店は、普通のおそば屋さん。 煮物や野菜炒め、だし巻き玉子、大根サラダなどの家庭料理の肴がたくさんおいてある普段着感覚のお店です。 なので、とても安い。入れていたボトルを飲んだせいもあるけど、3人で2650円。zabbonは650円しか払いませんでした。呑みにいったとは思えない激安ぶりです。
で、話をよくよく聞いていくと、すごい発見がありました。
このおじさま達(いやいや、40代後半世代なので、高齢化社会突入の日本では、まだまだ若者です)、帰宅拒否症候群なのです。 その理由が、家でのごはんのメニュー。 
ご本人達曰く、「年をとると油っぽいものを食べたくなくなるんだけど、家で煮物とか焼き魚とか、作ってくれないんだよね。」
「じゃぁ、何が食卓に用意されているんですか?」って聞いたら、「ハンバーグとか、フライドチキンとか。子供が好きなメニューなんだよね。 自分としては、煮物があれば、お酒もご飯もいくらでも食べられるから作ってほしいのに、子供達に不評で残ってしまうからって、全然出してくんないんだよね…」とのこと。
だもんだから、安くて美味しい家庭料理を出してくれるおそば屋さんの料理を食べて、蕎麦でシメてから、帰宅するんだそうです。そして、家ではごはんを食べないのが常なんだとか。 そんな話を聞くとかわいそうになりますが、楽しそうに呑んで食べているから、ま、いっか、って気になります。
そっかぁ、世の中の旦那様達が、早くに家に帰らない理由って、どこかでいかがわしくて怪しいことをしているから、ってことばかりではないようです。 自分の食べたいご飯を食べるために寄り道している健全な?おじさま方もいらっしゃるのです。 (いかがわしいことをしていないのは品行方正ですばらしいことですが、そうはいっても、それはそれで寂しい感も若干、漂います)
で、あらためて、周りのおじさま達のオーダーを見てみると、冷やしトマトに冷や奴、厚揚げの大根おろし添えや焼き茄子などのさっぱり系ばかり。 そういうのを食べたいお年頃なんですねぇ。 (なのになんで、揃いも揃ってメタボなんだろう、というギモンも残りますが。)
ということで、「今日の一枚」は、zabbon宅の昨日の煮物。 ひじきと芋がらの煮付けです。「河岸揚げ」という白身魚と豆腐の練り物(工業製品ですが)が好きなので、添えさせて頂きました。 愛すべきおじさま方が、ご自宅でも美味しい煮物を食べられるようになりますように。