ざぼん38号(s1)&39号(s2) ROE初使い

時は遡り、5月連休の後半にさしかかった頃に、ざぼん38号(s1)とざぼん39号(s2)を作りました。 開発コードネームには、「スースー石けん」であることを明確にするため、(s1)(s2)…等々を付与してます。(スースーの"s"ですな。我ながらくだらん。) 
スースー石けんを作るに当たって注意したのが、「酸化防止」と「デザイン重視」です。
「酸化防止」は、春から初夏に向かう、この季節に作るのだから、どうしたって、真冬に作る石けんと比べたら品質が落ちるはず。 まぁ、スースー石けんは、秋までに使い切ることを前提に作るから、神経質になりすぎる必要はありませんが、やはり用心は大切です。 ということで、今回は、ROEを使いました。
それから、「デザイン重視」は、メンソールクリスタルを使うと、香りはどうしたってミントがメインになるので、いくら趣向を凝らしても徒労となるだけ。 それ故、香りはテキトーに、その代わりにデザインをやりたい放題することにしました。そして、ざぼん38号と39号は、ツートンカラーデザインの双子石けんとして作りました。
レシピはこんな感じ。
  ゴマ油(白)47% 、アーモンド14%、オリーブ 14%ココナツ13%、パーム10%、シアバター2%
  (香り)メンソールクリスタル(油に対して5%)、イランイラン精油、ラベンダー精油
  (模様)青い色のところ…青のウルトラマリン(全体の0.1%) ピンクの星の生地 … ピンクのウルトラマリン

    鹸化率90% 水分35% 型入れ時石けん生地温度47℃ 室温20℃/湿度60%          2008年5月2日作成
ROEですが、オレンジフラワーさんで購入した「ローズマリーオイルエクストラクト」のことで、ローズマリーから抽出された天然酸化防止剤だそうです。「保湿性が高く、老化防止にもいいです。酸化しやすいオイル、石鹸、クリームの酸化防止として材料の0.15〜0.5%加えてください。」というのに加え、原液を肌に付けないように」との注意書きがありますが、理由はわかりません。が、何か恐ろしいことがおこるんだと思います。 色も茶色っぽくて、イヤな予感がしてました。
予感的中。
本当は、薄い水色にするつもりだったのに、ROEのせいでこんな色になってしまいました。 せっかく、白い石けん生地になるような油の配合にしたのに、すっかり台無しです。 
そりゃ、ちょっと考えれば、わかりそうなものです。(;_+)


そして、上の写真のボールの横にあるウルトラマリンを加えたら、こんな感じの青い生地になりました。 もっと澄んだブルーになるハズだったのに…(涙) 
そうこうしている間に、あっと言う間にトレースが。zabbonは、ブレンダースティックで作っているのですが、2回ほど撹拌しただけで、トレースが出てきたのは初めてのこと。 撃沈ブルーに関する悔し涙に暮れるまもなく、次なる工程、メンソールクリスタルの投入に急がされました。 
ROEのせいなのかなぁ…。

メンソールクリスタルですが(←写真使い回しの術)、これが正しい使い方かどうか、わかりませんが、zabbonの場合、トレースが出た後にオプションとして加えます。 入れ方は、乱暴かも知れませんが、このまま何もせずにザラザラザラ…と、大胆にボールに放り込みます。 量が多い時は、2〜3回に分けたりもしますが。 特に誰に教わったわけでもなく、「オプションは後から」という思いこみに、何も考えずに従ったまでのことです。 だから、この用法、間違ってるかも知れません。
そして、そのまま、グルグルかき混ぜるとだんだんと溶けてなくなりますので、この時点で投入完了。 でも、このかき混ぜが足らないと、クリスタルが情けない氷のような佇まいで生地にのこってしまい、とても悲しい思いをすることになるの、注意が必要です。 (zabbonが痛い目にあった悪い例はこちら。緑色の石けんのムラの部分がそうです
それから、メンソール故、溶ける過程で生地の温度を下げてしまうので、湯煎しながらかき混ぜました。 このレシピの場合、投入前に49℃の生地が、投入後、47℃に下がっていました。
その後、精油を所定量入れ、更にかき混ぜて、型入れ準備完了。 

そして、2コのアクリルモールドに半分ずつ、青茶色の(涙)の石けん生地をセットして、型入れ完了。
そうそう、精油の分量ですが、確か、前田さんの本によると、精油は全体の2%を上限にしないと分離する、とありましたが、メンソールクリスタルは別枠のようです。 精油2%+メンソール(油の5%)で作って事故に遭遇することはありませんでした。


さて、6時間後。ここからいよいよ、ざぼん38号と39号が別々の道を辿っていきます。 使った生地は同じ白色ですが、ROEにはこりごりしたので、ここでは使用に及びませんでした。
まず、ざぼん38号。
そう、このデザイン、ざぼん36号と同じ、砂ねこ名匠殿から教わったものです。 とても気に入ったので、スースー石けんでも作ってみたのです。 
これは、アクリルモールドから抜け出た直後の図。 さなぎから出てきたばかりのチョウチョとイメージが重なります。触ってはダメってとこが。 それに、ハートの並び方が均等でないようにも見えますが、きっと気のせいでしょう。(ホントか?) 

そして、ざぼん39号。
  
この石けんも、ざぼん36号と、深い関係があります。 保温箱で作っている星形チューブモールドで作った、星形コンフェを使ってみました。 ピンクの星が浮かんだ石けんを作りたい…!って思ったので、作っておいたものです。

そして、両方とも完成。 こんな感じにできました。
ざぼん38号                     ざぼん39号
      

メンソール5%のマイルドなスースー石けんです。 初夏や晩秋にちょうどいい濃度です。 
ざぼん39号の方は、6時間とはいえ、ソーダ灰が発生し、白い線になって残ってしまっているのが反省点です。 たぶん、星のコンフェは、最初の型入れ時からセットアップするのが正解だったんだと思います。

同じ生地なのに、色合いが微妙に違うのは、撮影環境と画像処理によるものです。 45×45×45の撮影用テントを買ったので、それを使ったのですが、あまりにもきれいに撮影できるのでビックリです。 
この石けん達、それぞれ、実物を手にされた方々がいらっしゃり、実態がすでにすっかりばれているというのに、この大胆な脚色・演出を施した写真をここで掲載するとは、我ながら大胆な。(スミマセン、だますつもりはなかったの…)