ざぼん42号(s5) トレースに足をとられたハチミツ

先般、風邪からの快癒のために、まったりと過ごし「いつまでも〜、このままで〜、いたい〜」と、液状化したzabbonを現実にひきもどしたのは、他でもない、滞らせていたお仕事達でした。 敵もそうそう甘くはありません。「ちゃんと働け〜!」とばかり、嬉しくもありがたくもない商売繁盛をもたらし、ここ10日ばかりひきずり回されました。 そのおかげで、忙しかったですけど、気付いたら元に戻ってました。
はずみもついたので、ざぼん"s"シリーズの続きを書きます。
本日のスースー石けんは、ざぼん41号(s4)を飛ばして、ざぼん42号(s5)です。 
いろいろ考えた末、ざぼん40号と42号を先に載せた方が、41号がどんなもんだかわかりやすくなるんでは…と思ったからです。ざぼん42号(s5)のレシピは、こんな感じです。
 ごま油(33%)、オリーブ(30%)、ココナツ(17%)、白パーム(8%)、赤パーム(6%)、アーモンド(4%)、シアバター(2%)
 色)赤パーム
 香)レモングラス、ゆず、グレープフルーツ、メンソールクリスタル(油に対して7%)
 op) ハチミツ(おおさじ1)←なぜかこれだけ実量
   鹸化率90% 水分35% 型入れ時石けん生地温度45℃(たぶん) 室温25℃/湿度73%    2008年5月25日作成

そう、このバッチでは、赤パームの配合を調整し、黄色い石けんを作るつもりでした。 ついで、「赤パーム石けんの色褪せ現象を、ハチミツはどれだけ防ぐか」という実験も盛り込みました。 この現象には、常々情けなく悲しい思いをさせられていたので、何とかしたいと思ったのです。 それに、折良く、テーブルの上には、おおさじ1杯ほどのハチミツを残したプラスティック製(つまりお買い得価格帯)のハチミツの容器があるではありませんか。 これぞ、石けんの神様の思し召しというものです。
これが、かき混ぜている最中の石けん生地。
話はそれますが、この"s"シリーズ全体に渡って生じた問題が、「トレース激早っ!」です。
最初は、ROEのせいかと思っていたのですが、ROEを使っていない他のバッチ全部がそうだったので、違う原因があるようです。 同じ材料・分量・配合で、冬に作った石けんは、なんともなかったので、たぶん、温度とか湿度とかの影響を受けている可能性大と、睨んでいます。
今回も、あれれれれ…という間に、トレースが出てきて、大あわて。 急ぎ、レンジで温めておいたハチミツを投入、ブレンダーは恐くて使えなかったので、ヘラでヒョロヒョロとかきまぜながら、生地に混ぜ込みました。 
その後、あたふたと型に流し込み、保温箱にセット。
それから、余った生地で星のチューブモールドも仕込みました。 これを、次のスースー石けんに仕込めば、これまたかわいいお星様石けんができるぞ…と、保温箱に向かって、ほくそえんだあの頃がとても懐かしい…。
さて、一昼夜置き、型出ししてみたら、あれあれ?何やらスルリとアクリルモールドから抜き出せたのです。 いつもはそこそこ四苦八苦しているのに…。あまりにも怪しい。
どうやら、石けんから水分がたくさん出ているようです。それに、きれいな黄色をしておらず、薄褐色の地色に茶色のボツボツがたくさん出ています。 まさしく、事故発生サインの茶系ごま塩石けん。
どうやら、トレースが出すぎてしまった後のハチミツの投入に加え、軟弱ヘラによる撹拌不足で、完全に混ざりきらなかったのが原因のようです。 拡散しきらなかったハチミツのつぷつぷが、茶色い斑点模様になると共に、原理は分かりませんが、石けんの中の水分を寄せ集めてしまったようです。 
しかし、完全敗北かどうかは、熟成期間が終わってみなければわかりません。
とにかく、表面の水分を拭いてから、乾燥&熟成ステージに移行。その後、1ヶ月間、心配しつつも放置。(他にも心配の種がどんどんでてくるもんで、これだけに関わりきっているワケにはいかなかったのが実情です)
そうそう、星のチューブモールド・コンフェも同じ惨状。 見た目は悪いし、品質にギモンがあるものを、他の石けんのコンフェにし、禍を広めるリスクは踏みたくありません。 でも、大本を辿れば、黄色い星にするために、この生地を作ったのに…。ガッカリです。 でも、拾う神もあり。「スースーなら、なんでもいいっス!」と言って下さる愛好者に、このままの形で進呈することにしています。
で、こんなのができました。
1ヶ月、ほったらかしている間に、すっかりきれいに乾燥しましたし、この色しか知らないのであれば、個性的かつ、そこそこきれいな石けんに見えるものに仕上がってました。 とりあえず、よかったぁ〜♪
まぁ、アクシデントによってできた色とか形とかって、再現が難しいので、この石けんはある意味、希少性の高い石けんとも言えましょう。
それに、レモングラスの香りとメンソールの香りがさわやかでなかなかのものとなりました。
そして、ハチミツ実験はできなかったので、秋からの石けん作りでリトライしようと思ってます。