熱帯の大きい合歓の花 〜碁盤の脚〜

現代の利器であるところの飛行機が、zabbonをひゅーっと遠いところに運んでいってくれたのと同じように、ピューッとこちらに連れ戻してくれました。ありがたいですけど、余計なお世話さも感じるのを禁じ得ない、というところが実感でしょうか。
とにかく、本日より仕事が始まりました。朝の電車が空いているところからは、まだ初夢の中にいる方々が相応数いらっしゃることが伺えますが、そんなもん、明日や明後日になれば身分は同じなわけです。だから、あまりぶつくさ言うまい。今年も楽しく、うさぎ年らしくぴょんぴょんと月まで行って、帰ってこようではないか。
ところで、ケアンズでは、これまで見たことがない不思議な花を見ました。
初日のお昼過ぎに、街の片隅の公園に行ったところ、大きな樹木の下に、巨大な合歓の花のようなのがしおれた姿でぼたぼたと落ちていました。木の上に残っているのもシナシナです。zabbonは合歓の花が大好きで、ベランダで植木鉢で育てているくらいなのですが、このシナシナ花は、通常の合歓の花の5倍くらい大きいのです。去年の秋に流行ったキャラメルコーン5倍サイズと通常サイズくらいでしょうか。
この花の正体を突き止めんと思い、翌日朝の10時前に同じ場所に行ったところ、もう少し新鮮な花の残骸がぼろぼろと落ちていました。どうやら、この花は、夜のうちに咲いて、日が昇るか昇らないかのうちに散り始めるみたいです。
そこで、その更に翌日、もっと早起きして7時にそこに行ったら、おお、木の上にもきれいなのが残っているし、地面に落ちているのも新鮮そのもの。しかも大きい。
落ちていた花を拾って手のひらに乗せてみると、まるで、ピンク色の光の大きな玉みたい。それに、いい香り。合歓の花を太っ腹にしたような香りです。合歓木に比べて濃厚で色っぽい、けど、イランイランみたいに真性色気ではなく、可憐さとさわやかさも残しているバランスのいい香り。
この不思議な花を咲かせる樹木のことを調べてみたら、ゴバンノアシ(碁盤の脚)というサガリバナ科の常緑高木ということがわかりました。名前の由来は果実が碁盤の脚に似ているところからとか。
本来、熱帯地方の植物なのですが、碁盤の脚の形をした実が軽いものだから、海に落ちた後、ヤシの実のように海流に乗って石垣島とか西表島とかに漂着し、根付いて成長するものもあるんだそうです。 それに、浜辺でプカプカ漂っているゴバンノアシの実を拾って植えれば、庭で育てることもできるのだとか。
これが庭に生えているだなんて、夢のように羨ましいとしかいいようがありません。ゴバンノアシの花が咲くと、石垣島などの地元ではニュースになるようです。
羨ましすぎるのですが、しかたがないので、zabbonは写真で楽しむことにしました。