がんばれ、シクラメン

久しぶりの雪。天から漂い舞い降りてくる羽毛のようなそのかけら達を久しぶりに目にし、きれいだなぁなどとおもっていたら、今夜は大雪になってしまい、ちょっとした災害の様相を呈しています。大自然の七変化。美しく、そして厳しいので、軽い気持ちでつきあってはいけないのです。
ところで、zabbon宅には、シクラメンの鉢が2つあります。1つは今年の冬に買ったもの。もう一つは一昨年の暮れに買ったもの。花の色は両者共に深紅。
一昨年の暮れに買った方には、ちょっとした起死回生の物語があります。ことの発端は去年の春先のこと、根本に小さい花芽をたくわえたシクラメンにあぶら虫がとりついたのです。「これはたいへん」とあわてて、アルコールを水で薄めたものをシュッシュッと2〜3日に渡って吹きかけたところ、あぶら虫と一緒に、あろうことに本体も枯れてしまったのでした。手術は成功したが、患者は死んでしまったのです。そのショックなことといったら。自らの手で最愛のものを死なしてしまうこと、これ以上の悲劇はありません。
あまりの衝撃に、植木鉢の始末もろくにせず、そのまま、植木棚の陰にポンと置き去りしてから半年後の秋の終わりの頃のこと。何やら、見知らぬ植物がにょきにょきと生えてきています。細長い茎の先にハート型の葉っぱが異国人。
それがこのかわいそうなシクラメンの再生した姿だったのです。これほど嬉しいことってあるでしょうか。死んだと思っていた我が子が、変わり果てた姿とはいえ、生きて戻ってきてくれたのです。
でもヘンな姿。隣に置いた今年のシクラメンと並べると際立ちます。でも、本人にとっても長い茎は不自然らしく、普通に日当たりのいい環境に置いてやった後に生えてきた葉っぱは、短い茎でした。まだお花は咲かせていないけど、近いうちに必ず深紅のお花を咲かせるはず。
それまでちゃんと面倒みるから、がんばれ、シクラメン