五稜郭を見てきた

夏は暑い。冬がいくら寒くても夏が来れば暑くなるものです。なので、初夏を迎える頃に、暑い夏を見越して、函館に行くことにしました。zabbonだって、そのくらいの知恵は回るのです。
函館にはこれまで何度か行ったことがありますが、しかし、いつも赤川水源地とかマニアックなところしか行っていなかったものだから、今回は、函館観光の王道「五稜郭」に行ってきました。
五稜郭の脇には昔からタワーが建っていましたが、この度2006年に新築され、それから見る五稜郭がすごいんだとか、ということで登ってきました。
そこから見た眺めがこれ。思ってたよりすごくてびっくり。
飛行機からも星形の五稜郭は見えるけど、かなり直上から眺め降ろす五稜郭は、マジきれい。840円払って余りありました。
なんでこんな星形をしているのか、というと、つまるところ、趣味の領域の話らしいのです。つまり、幕末に函館奉行所を作ったのですが、それを守る城郭が必要になり、「どんなものにしようか」と考えた際に、西洋で流行っている星形城郭とやらでいってみよう!ということになったらしいのです。
実際、西洋諸外国の星形城郭の例が資料館に展示されていましたが、しかし、どうしてどうして、どうひいき目に見ても、我がニッポンに在るところの函館の五稜郭が一番美しい。地球上で一番美しい星形城郭は、我らの五稜郭だと確信。
この五稜郭、これを見るだけならば、ただただ美しいだけのものに過ぎないのですが、函館戦争の歴史を語る四稜郭と、その少し下側にある東照宮(今は神山稲荷)とセットにして見ると、もっと違って見えてきます。
東照宮には、石造りの鳥居に銃弾の蹟がかなりたくさん残っているし、四稜郭には、なにがしかのゾクゾクするものが漂っているばかりか、現世に実体を持つアリの力を借りて、zabbonの足の甲にかみついてきたりなど、この世とあの世の境目が薄くなっているのを、ひしひしと感じるところなのです。真夏の真昼の怪談話。
人の思念は、その持ち主が「もういい」って思うまで、廃れることなく、そこに残るものらしいのですが、わずか150年ほどしか昔のものでない古戦場には、まだまだたくさんの思念・想念が残ってるはず。それらが半減期を迎えるのもまだまだ先の話のことでしょう。
こうしてゾクゾクした後に、タワーから眺め降ろす五稜郭の美しさといったら。人でもものでも、陰の部分がないと、奥行きのある真の美にはならないものだということに、思い当たるzabbonでした。
で、函館戦争の後、五稜郭のお堀の水は、真冬に凍ったら、それを切り出し、江戸ならぬ東京に運び、皆が涼を楽しんだのだとか。平和な時代の平和な使い方。どちらかと言えば、こっちの方が好き。
そうそう、五稜郭タワーの上で食べたマンゴーフラペチーノ(スワークルか?)が、とってもおいしかったのでした。