くろねこ、だいさぎを狙う

さて、2012年が始まりました。
「明けましておめでとう」なのですが、たいした努力もせず、時の経るままに普通に暮らし、カレンダー上の年の境目をまたぐだけで「おめでとう」と言い合ってしまうのはいかがなものか、安直ではないかと、かつては思っていましたが、それが実は、とてもとても貴重で有り難いことであることに、昨年の恐ろしい出来事は気づかせてくれたのだと、振り返れば悟る、年の始まりなのです。
奇しくも昨年の今頃、ざぼんに書いた日記には、こんなことが記してありました。
ところで、宇宙戦艦ヤマト実写版(SPACE BATTLESHIP YAMATOですな)、その後の考察により、衝撃的に印象により濃く残っているのが冒頭の部分。〜<中略>〜 実写版だと妙にリアリティがあって、とても怖かったんだなぁ、これが。 で、YAMATOの世界の最高意志決定機関はかなり正しい方針を見出し、展開し、更にかなり的確にヒト・モノ・カネを投入したアプローチを行い、そのおかげで、999死に1生とも言えるハッピーエンドを得られたわけですが、現在の日本…いや地球上のどの国家の最高責任者にも、おそらく、いや絶対に、こんなこと決してできまい…って考えたら、もっともっと怖くなってしまいました。ああ、神様、なにとぞガミラスが本当に襲ってくるようなことがありませんように。
確かに、ガミラスは襲ってきませんでしたが、それに匹敵する恐ろしい出来事に襲われたのが、昨年のニッポンでした。そういった意味では、書いたことが当たってしまったわけなので、滅多なことは書くものではありません。もっと恐ろしいのは、最近、地震原子力発電所絡とは無関係な、新たな国難s(←三単現の"s")を自ら招き起こそうとしているような気がしないでもないけど、きっと気のせいだろうと思います。
で、zabbonの2012年のお正月です。近所のくろねこ公園にお散歩に言った時のことでした。
くろねこ公園とは勝手につけた名前で、数年前、この公園でくろねこに出会ったことに由来するものです。zabbonはくろねこ好きなので、この公園の名称に冠することにしたわけです。ちなみに、この公園の本名はわかりません。さらにちなみに、そのくろねこは、いつぞやの「しろねこを産んだくろねこ」ではありません。
で、この公園に行ったところ、1羽のダイサギがゆったりと歩いていました。大きくて白くて眩しくて、足が黒くて長いヒトです。通り行く人、みんなが振り返って眺めていく美しい野鳥です。池の中を魚を探しつつ歩き、時おり、漁に成功して、パクリと食べていました。
で、このダイサギを狙う悪者が1人…。くろねこです。この公園の主です。
ぺたんこになって這いつくばって、金色の鋭い目つきで、白い大きな美しい野鳥をじっと狙っています。まさにプレデターの視線と振る舞い。スキを狙って飛びつく気、満々です。ダイサギだって立派な捕食動物。でも、自然界の捕食関係は連鎖するもの、ということを、この光景は伝えてくれていま…せん。
なぜなら、ダイサギは、こんなまぬけに、とっつかまるようなおバカではないからです。まぬけくろねこの視線や気配を察知して、ほどよく距離をとりながら、漁を続けていたのですが、そのうち、あまりのしつこさに嫌気がさして、どこかにふぃっと、飛んで行ってしまったのでした。
飛び去る時の羽の大きさと白さと立派さとまぶしさが、とてもとてもお正月らしくおめでたかったのでした。