香川県民は甘い物好き

zabbon2013-01-03

あけましておめでとうございます。平成25年がやってきました。
お正月だけは、何の苦労も努力をせずとも「おめでとう」と言ってもらえる希有な晴れの日。時間が自動的に過ぎていくことに感謝するのがお正月なのかもしれません。この世知辛い世の中、時間の経過も、ひょっとしたら有料になるかもしれません。

ところで、年末、岡山→香川県の旅に行って参りました。そして、香川県のお雑煮が面白いので、事前研究の上、必要と判断したあんこ入りの丸餅、細い大根を購入の上、帰郷致しました。その他の物資(金時人参白味噌、炒り子出汁、青のり等)は、香川県物産店及び近所のスーパーで買い揃えました。
東京ではどうしても手に入らないのが、あんこ入り丸餅。これがそのあんこ入りの丸餅で、それを焼いてみたところの図です。
焼くのはしきたり違反ですが、しかし、焼くと焦げ目がきれいで香りもよくなるところがよいのに、何でそうしないのか、それもまた地域の違い。面白いのです。
ともかく、あんこの入ったお餅なるもの、関東地方では通常、どこをどう探しても見つからないのです。関東地方では、四角くてあんこが入っていないのが主流だからです。でも、高松駅近所のスーパーには売っていました。当たり前の顔をして並べられていました。さすが地元です。ご当地です。だから、面白いです。
これを、白味噌ベースの汁に、輪切りにした金時人参と細い大根と共に浮かべて召し頂くのが香川流。


実際に食してみると、白味噌ベースのスープは、例えて言えば、コーンポタージュのよう。そこはかとない甘さとコク味が、思いがけず、洋物のそれに似ていることに驚きました。
そして、このポタージュ様のスープがあんこ入りのお餅の甘さへの前哨戦、前奏、プロローグ、前振り、前座、予告、コマーシャルとなり、その役割を余すところなく果たし、甘みのクライマックスであるところのあんこに、情感深く誘うわけなのです。
ほのかな甘みから確固たる甘さへの絶妙かつ期待を裏切らない見事な味のグラデーション。甘い物好きにはたまらない心ときめく甘味濃淡なのです。


そう、香川県民は甘い物好き。とりわけ、豆の甘いのがお好きなご様子。あんこの入ったお餅なぞを入れたお雑煮を、年の初めのごちそうに選び、好んで食すとは、よっぽどの甘い物好きを語る何よりの証拠。
他にも、金時豆を甘く煮たのが、他の街よりも多く氾濫していることも発見しました。関東地方でもメジャーであり、zabbonも大好きな金時豆を焼き込んだ「豆パン」というパンがありますが、その存在感が妙に大きいのです。どのパン屋さんでも必ず置いてあり、中には「人気No.1」とランキング王を誇る豆パンもありました。そして、どれを食してもみんなおいしい。
香川県民の金時豆に対する愛情と審美眼は、ほかのどの県民よりも大きいらしく、これを天ぷらにして揚げた食品を、スーパーで見つけた時には、まさに魂消たという他ないでしょう。
通常、これをうどんに載せて食すようですが、zabbon宅では年越しそばに載せて頂きました。

かくして、今回の年越しは、珍しく、どん兵衛天ぷらそばでない年越しそばとなったのであります。