マルセイユ4号&5号 致命的欠陥

zabbon2006-10-27

先週19日(木)の平日に作ったマルセイユ5号。
「『アントシアニン系色素 倍増 & ジェル化』大作戦」は見事に当たり、写真左のように、色濃くできあがりました。その色の濃さは、隣のマルセイユ4号に比べても歴然としています。まだらになっているのは、混ぜが足らなかったのが原因のようですが、かえって芸術性の高い仕上がりを演出しています。
とてもきれいな色をした石けんです。こうしてみていても、ほれぼれします。こんな石けんをプレゼントされたら、誰もが嬉しいのではないかと思います。
そう、写真を見ているだけなら…! しかし!
インターネットでは、写真や文章だけでは届けることができない情報があります。最新技術では、可能になりつつあるものの、一般への普及は遠い先、というのが、香り(嗅覚)伝達情報です。
でも、その方がよかったかもしれません。
そうなんです。この石けん、美しいみかけとはウラハラな香り、もとい、いやな匂い(臭い?)がするのです。
香りについては、マルセイユ4号を型出しした際に「精油を入れなかったから変な匂いががする。」と記しましたが、しかし、5号では、そういう失敗をしなかったにも関わらず、ゼラニウム等々の精油の香りがしないばかりか、4号のヘビー級の匂いが、キョーレツに立ち昇っているのです。
どんな匂いかというと、一番近いのが、児童・学生時分に履いていた学校用の上履き。それも「これは即、洗わないとマジ無理」状態のものでしょうか。
上履きの匂いつきのピンクのマルセイユ石けん、誰が欲しがりましょうか。(いいや、誰も欲しがるまい)
これは、まさに致命的欠陥。 ということで、今、とても困っています。
何がどうしてこんなになったんか、全くわかりませんが、現実を厳粛に受け止め、迅速、かつ適切な措置を講ずる必要があります。なんせ、2バッチもあるんですから。
最初にやったのが、マルセイユ4号に施した「香水燻蒸」です。 石けん本体にシャネルNO.19を、たっぷり吹きかけ、フタのついた厚紙の箱に並べた後に、さらに3吹きくらい追加噴射。 すかさずふたを閉め、人通りの少ないところに放置。1ヶ月間の熟成期間中に、香水がしみこめばシメたものです。しかし、その日は、自分にくっついた香水のせいで、お風呂に入るまでシャネル臭くて大変でした。
次に思いついたのが、小さく切ったり、薄く切ってクルンと巻くなどして、次に作る石けんのパーツにする方法です。早速、型出し直後のマルセイユ5号で試みます。グニャグニャなので、案外うまくいきました。これは、香水をかけずに、やはり、人通りの少ないところに隔離。
そして、思いついたものの、まだ試みていないのがリバッチ。ここで、エッセンシャルオイルではなく、フレグランスオイルを使えば、うまくいくかもしれません。
マルセイユ4号と5号をまとめてゼロリセットするには、よい方法です。全てチャラにして、なかったことにできるかもしれません。スクラップ&ビルトそのものです。
すぐさま、とりかかろうと思いましたが、まずは鹸化を完了させたいのと、水分も飛ばしたいので、1ヶ月、置いておくことにしました。2週間経ったら、小さく切って、太陽光線に当てないようにしながら、戸外で匂いと水分を飛ばす予定です。 イメージとしては、揚げ餅せんべいを作る前の、ひびの入ったコロコロのお餅達。
こうなってくると、やけのやんぱちを通り過ぎて、ワクワク楽しくなってきます。途方に暮れていた気持ちも盛り上がり、リバッチという新しい試みに、心は華やかに浮き立ちます。
こうしてzabbon宅は、すっかり本格的魔女の館、もしくは、マッドサイエンティストの研究室さながらの様相を呈するようになってしまったのでした、とさ。