ざぼん1号②

zabbon2007-01-27

この前の続きです。
グランマニエは、オレンジの果皮とコニャックを原料にした琥珀色のリキュールで、お菓子やカクテルの香り付けによく使われているお酒です。ホットワインやシャングリアに入れても、香りの深みが増して、おいしくなります。


さて、アルコール系の材料を石けん作りの材料に加えるとどうなるのか…?
前田さんの本にも、taoさんの本にも、載っていません。
でも、世の中のソーパーの先輩方の成功事例がネットにたくさんありましたので、参考にさせて頂きました。そのお返しの意味も込めて、どんなふうだったのかをご紹介します。
ざぼん1号で使った水分は、以下の通り、合計200gです。

  水 130g
  グランマニエ 70g

水とアルコールの割合は「1:1」のレシピが多かったので、最初は、水100g、グランマニエ100gで準備していました。
そして、アルコールは、「煮きり」をしてから入れる方がいい、というのが一致した情報でしたので、そうすることにしたものの、はて?「煮きり」とは? 
「煮きった」みりんやお酒を使う料理レシピは聞いたことがありますが、拙宅では、アルコール臭さは「来るもの拒まず」だし、作用に至っては、全く問題にならないので、やったことがありません。そこで、やりかたを調べたところ、このHPに詳細がありました。
ここを見ると、電子レンジで加熱する方法も紹介されてましたが、今回、採用した方法は、鍋に入れて火にかけ、沸とうしたところで、鍋を傾けてコンロの火を鍋入れてアルコール分を飛ばす正統派の方法です。
だって、やっぱ、「炎の料理人」って、あこがれるではありませんか。
そして、グランマニエ100gをお鍋にセットし、手順通りに進め、沸騰したアルコールに火を入れると、水面から透き通った炎がユラユラと燃え上がります。この不思議な光景を、原始の人類がたき火の炎を眺める姿さながらに、憧憬と郷愁の思いで眺めていたところ、いつまでたっても、炎が消えません。
このままいくと、全部燃え尽きてしまいそうだったので、途中で火を止めました。すると、案の定、見た感じが減っていたので、重さを量ってみたら70gになっていました。 30gも燃えてなくなってしまったのです。
そこで、あらためて、グランマニエの瓶を確認したら、アルコール含有率が50%とありました。ということは、もし、燃え尽きるまで放っておいたら、(理論上は)50gまで減ってしまったにちがいありません。(←このあたりの説には、誤認識も含まれている可能性大)
途中でおろしてよかったです。
そして、消えてなくなってしまった分、水を足して、上記の水分配合となったわけです。(要するに、狙いも何もなく、たまたまこの割合になったというわけです)


そして、入れるタイミングです。
ネットでは、アルコールの作用によって、トレースが遅くなった説と早くなった説の両方があり、今ひとつ、実態は霧の中です。
でも、異物を混入させる時は、しょっぱなから入れてはいけないことは、「シーブリーズ石けん」の手痛い失敗から学んでいます。 ここは過去の教訓を生かし、はじめに130gの水を投入、ある程度、混ざってから70gのグランマニエを入れる作戦をとりました。
そして、変容が起きたのはグランマニエを入れた時。
普通の黄色い石けん生地が、突然、濃く鮮やかなオレンジになったのです。グランマニエ本来の琥珀がかったオレンジ色のせいもあるかもしれませんが、もしかしたら、アルコールの作用もあるかも。
どちらが原因かはわかりませんが、グランマニエは、着色効果もあるようです。
そして、zabbonの石けん生地は、「トレース早組」で、すぐに型入れをしなければなりませんでした。表面にも、流し込んだ時の痕跡が残っているほどです。
そして、できあがったのがこれです。


型出しは、一週間寝かしてから行いましたが、これもまたアルコールのせいかわかりませんが、非常にスムースでした。よく見ると、表面に水分が浮き出ていて、このため、型離れがよくなったようです。
色も、赤パームを使ったものに比べて濃いオレンジに仕上がりました。配合は変えてないので、これは、グランマニエの作用だと思います。
そして、肝心の香りは、一言で言えば「大人のオレンジ」です。
オレンジのエッセンシャルオイルグランマニエが影響しあって、熟成したまろやかな香り。オレンジジュースではなく、オレンジカクテル。まさに狙い通り。
今、熟成中ですが、いつもように切り分けてしまうと、香りが飛んでしまうので、今回は、固まりのまま置いてあります。
解禁は、2月10日頃。
その時の入刀式が楽しみです。