ざぼん29号 カモミール・キャスティールとソーダ灰

zabbon2008-02-10

これまで、マルセイユとか、ざぼんシリーズとか、これまでいろいろと石けんを作ってきましたが、zabbonが一番好きで、効果があると思っているのは、オリーブオイルのキャスティール石けんです。 これで顔を洗うと、その後の効用があらかたです。 そもそも石けん作りを続けているのは、キャスティール石けんの魅了されたから、といっても過言ではありません。
なので、時々、じっくり熟成させて、よりいっそう大事に使うための洗顔専用のキャスティール石けんを作ります。 今回は、ジャーマン・カモミールのお花の香りと色をインフューズドしたオリーブオイルで作りました。
材料は、こんな感じ。
 インフューズドオイル(オリーブオイル500g/カモミールティー(お花)をミルで細かくしたもの35g)…98%
 シアバター … 2%
 鹸化率90%  室温20℃/湿度50%
 型入れ時生地温度 38℃
    作成:2008年1月12日

あ、シアバターが2%入っているから、厳密な意味ではキャスティールではありません。
それから、石けん生地の温度は、通常のざぼんシリーズの時は42℃にしているけど、今回は、油も香りもデリケートに扱いたかったので38℃にしました。
これが、カモミールのお花の色をそのまま映し取った油で作った石けん生地です。 もちろん、香りもカモミールティそのもので、うっとりです。
当初は、ココナツオイルやパームオイルを混ぜた石けんを作ることも考えたのですが、このすばらしい香りと色をそのままに残すためにキャスティールにしました。


冒頭の写真は、型入れをした直後の写真ですが、こちらは、24時間後の翌日、型出し直後のできたてホヤホヤの写真です。生地の状態の時とは、またまた変化していますが、この淡い卵色がとてもきれいなので、ふさわしい名前を考えました。
「バナナアイス石けん」 「玉子アイス石けん」 「バニラカスタードクリーム石けん」 「芋ようかん石けん」…  こんなところがノミネートです。 
どれもこれも、イメージに合った名前です。zabbon的には、お母さんの手作りアイスを思い起こさせる「玉子アイス石けん」あたりがいちおしかな、と思っていましたし、名前を考えるのは楽しいなぁと無邪気に喜んでました。
この時までは…。

しかし、好事魔多し。何が起こったかというと、こういうことです。
型出した後、カットする前に乾かそうと、部屋にふつーに置いておいたら、あらまぁ、周りが真っ白になってしまいました。 この写真の左側の石けんのこっちを向いている面が、無事だった箇所ですが、かなりハッキリとした差があります。
いわゆる「ソーダ灰」というものがくっついてしまったのです。 "くっつく"というのは語弊があって、石けん生地が気温やら、酸素やらの影響を受けて、勝手に(←主観的立場からの表現)白く変わってしまうのが「ソーダ灰」であり、石けんの品質自体は損なわれないらしいのですが、理屈はともかく、そのせいで、せっかくのきれいな卵色が見えなくなってしまって大ショック。 それでも、気を取り直してカットしてみたところ、中はちゃんと元の色が残っていたので、とりあえずホッとしたものの、ガッカリすること幾千万。うえ〜ん。
と嘆いていたら、家族がソーダ灰がついている方が高級感があっていい」とのこと。
この言葉に救われました。 そういう目線でもう一度見直してみたら、何やらものすごく高価で得難いもののようです。 白い衣が、じっくり年月をかけて熟成させた落ち着きた風合いを呈しています(実のところソーダ灰はたった数時間でついてしまったんですけど)。 まるで、木の皮でできた丸い容れ物に入れられ、スタンプを押されて売られている最高級のカマンベールチーズみたいです。 ソーダ灰のところの手触りもしっとりして心地いい感触です。 もともと「アイスみたい」って思っていたんだもの。乳製品つながりに着地したのは遠からじ、です。
それに、カモミールティの香りもちゃんと残っているところも満足です。まぁ、香りは熟成していく中で、いずれ薄くなってしまうものですが、今、こうしてあることが大切です。
あらためて、ソーダ灰中心の視点から眺めてみました。

ほうら、きれい。 熟成途中に落っことして、角が変形するという事故があったものの(写真左奥の石けんの角っこが平べったくなっている箇所)、あとは順調そのもの。 こと、キャスティールは、3ヶ月おいてから使うと使用感がアップするので、もう少ししたら、香りが飛ばないように缶に入れて保管し、4月になったら使うつもり。楽しみです。 
そうそう、考えついた名前は、別の石けんに使うことにしました。