ざぼん30号 カモミール・マーブル 〜ソーダ灰への挑戦〜

zabbonの手元には、精油のボトルがいくつかありますが、数ヶ月前、ジャーマン・カモミール精油の消費期限が迫りつつあることに気づきました。2008年1月に使い切らなければなりません。
ということで、ざぼん30号は、カモミールの石けんを作ることに決めました。 こういう「必然」に迫られて作るのも悪くありません。 
カモミールの石けんと言えば、昨年、ざぼん3号でも作りましたが、その時に、「『カモミールづくし石けん』にしたかったので、カモミール精油も入れましたが、そのせいで、インフューズドオイルだけの効果のほどは、よくわかりません。そのうち、もう一度、やってみようと思ってます。」という感想を残しています。 なので、今回は、純粋にカモミール精油だけで作ってみることにしました。
でも、模様が何もないと寂しいので、カモミールフラワーのミルを使ってマーブルにすることにしました。 使ったのは5gですが、このくらいの分量なら、精油の香りを邪魔することはなさそうだし、それに、去年の秋に参加させて頂いた「石けん実験室」で、ローズマリー・パウダーを使ったマーブル石けんがあったのですが、このセンスに感銘を受けたので、少しばかりマネさせて頂きました。(多謝) 
そして、今回のレシピはこんな感じ。
オリーブ 55%、アーモンド13%、ココナツ19%
パーム11% シアバター 2%
(香り)カモミール小さじ2ちょっと / オレンジとネロリ(少し)を併せて小さじ1
(模様)カモミールパウダー5g(ざぼん29号のインヒューズ用ミルの一番細かい粉)

 鹸化率90% 水分35% 型入れ時石けん生地温度42℃ 室温20℃/湿度35%
                  2008年1月14日作成

そして、今回、もう一つ課題があります。それは、ソーダ灰の克服です。 先日のざぼん29号では、ソーダ灰に泣かされました。幸い、ソーダ灰好きの家族のおかげで、フォロー十分、しかも、カマンベールチーズのような見た目に仕上がり、全てがうまい具合に運びました。が、しかし、そうそうカマンベール石けんを作ってばかりいるわけにはいきません。
ということで、少しばかり作戦を考えました。
まず、これまでの観察の結果、どうやら、ソーダ灰は、石けん生地と空気が出会うとできるものらしいことがわかってきました。 反対に、空気と遮断されているところには、決して、ソーダ灰がつくことはない。
ということで、型入れした石けん生地の上辺にあたるところを、サランラップでびっちり覆うことにしました。(←こんな感じ) アクリルモールドの縁ギリギリまで石けん生地を入れ、絶対に空気が入らないように注意深くラップするのがポイントです。 でも、これをすると、生地が爆発する可能性があるかも…と思いましたが、やってみなければわからないのが、石けん作りなので、リスクテイクで臨みます。
それにしても、このアクリルモールド、大きいので、モールドをいっぱいに満たすくらいの石けん生地を作るとなると、ものすごい大容量です。 今回も総量1000gちょい、あります。1回で作る分量としては、決して少なくないのでは…。
それから、先日のざぼん29号では、型入れ後24時間で型出ししたら、ソーダ灰がみるみるくっついてしまったという事実があったのも忘れてはなりません。 さらに、ざぼん26号では、型入れから型出しまで、1週間以上置いたのですが、その時は、事後ソーダ灰(←zabbon用語。型出し後につくソーダ灰のこと)はつかなかった、という逆説的事実もあります。
このことをふまえ、型出しをじっと1週間、待ってみることにしました。

話は前後しますが、カモミール・マーブルは、生地の四分の1ちょいをパウダーで色づけし、白い生地と合わせた後は、ぐるりと1回かき混ぜる程度です。 ぼんやりふんわりしたマーブル狙いです。
そして、できあがったのがこれ。 

お、イメージ通りのマーブル。 悪くありません。 懸案のソーダ灰も全くついてくる気配はありません。爆発もしませんでした。
ふうむ、やっぱり、ソーダ灰は、鹸化途中に空気に触れるとできてくるのではないかと思います。 また、温度が低いとつきやすいようですが、それはたぶん、冬の低気温の中では、鹸化スピードが遅くなるからなのかも知れません。
zabbon的には、空気遮断の術+じっくり鹸化作戦で、ソーダ灰をコントロールすることができました。 これで、いつでもカマンベールとそうでない石けんを作り分けることができるようになりました。(たぶん)
で、カモミールつながりのざぼん29号と30号を仲良くツーショットで撮影。

そうそう、この2つ、全く違う香りです。29号はカモミールティのフローラルな香り、30号は薬効あらたかな感じのカモミール精油の香りです。 カモミールは、お花をインヒューズした油の石けんと、精油だけで香り付けした石けんでは、ずいぶん違うもののようです。 それぞれ、きちんと分けて作ることによって、その違いもバッチリ確認することができたのがよかったです。