ざぼん35号 紫芋ロールケーキ石けん(但し、香りは苺)

去年の6月、ロールケーキ石けんを作りました。 オレンジシナモンバージョンと、抹茶バージョンの2種類です。試行錯誤の末、なんとか完成させたざぼんオリジナル石けんですが、もう一度作ってみたくなったので、再チャレンジすることにしました。
ロールケーキ石けんは2色の石けん生地を使って作りますが、使う色によって、できあがりイメージが変わってくると思います。 今回は、春なので「苺のロールケーキ」にしよう、ということで、作り始めました。 (作ったのは、かなり昔の3月9日です)。 
苺といえばピンク。 ピンクといえば、先日のごま油の石けんの「淡いピンクの石けん」が思い浮かびます。 
ごま油でピンクの石けんを作るのは潔くあきらめましたが、今回は、ピンクのウルトラマリンを使って作るので、ちゃんとしたのができるはず。 思えば、zabbonはピンクの石けんに憧れ、追い求めているようです。
だって、ピンクといえば、愛の色、癒しの色じゃないですか。 老若男女、この色を求め、好む人は多いんではないかと思います。 けど、男性のピンク使いは難しい、と周りの実際例様々を思い出しつつ、しみじみ感じ入ります。(まぁ、あの人達にはハードル高いかも…)

…話はそれましたが、今回の材料はこんな感じです。 ざぼん定番配合です。
いちごのフレグランスオイル(以下FO)を買ってみたので、これも投入。 FOは初めて使いました。また、この前使った型が、捨てずに残されていたので、同じサイズ・分量です。
 【ざぼん35号】オリーブ 57%、ココナツ18%、パーム11%、アーモンド13% シアバター 2%
  (香り)いちごのフレグランスオイル、バニラオイル(製菓用)
  (色) ウルトラマリン(ピンク)
     鹸化率90% 水分35% 型入れ時石けん生地温度42℃ 室温20℃/湿度55% 
                       2008年3月9日作成


作った生地を型に流し込んでから4時間後、ゆるゆると固まってきましたので、べたりと重ね合わせ、くるくると、お寿司用の簀巻きで巻きました。
肝心のピンクの色も、ちょっと濃い感じもしますが、ウルトラマリンがいい感じのピンクに染めてくれています。
が、ここで安心してはいけないのが、石けん作りの常なるところ。 安心度合いも3割程度、といったところでしょうか。 できあがりがもう少し薄い色に変わってくれたら、理想通りですが、いかに。

そして、こここそが、今回の改善点です。
前回の反省点としては、ここでそのまま放置したため、楕円形のロールケーキになってしまったことでしたので、今回はここで丸い筒を使って整形する、という方法をとりました。
筒型だったら、ポテトチップス等々、何でもいいのですが、この時、たまたま手元にあったのが、ユーハイムのバームクーヘンのパッケージ(妹のponkanからのお年賀)だったので、これを使いました。 石けんの直径が、若干、ユーハイムよりも小さかったので、それを補うためにその辺にあったいらない紙をグルグルと巻きました。 なので、この写真だと、どこに石けんがあるのかよくわかりません。(←の解説があってもわからないかも?) とにかく、この不思議な外見のまま、24時間ほど寝かせました。 どんな風にできあがってくるか、楽しみです。


そして、こんな風にできあがりました。形は大成功。 けど、色があっちゃ〜。
可憐なピンク色の苺のロールケーキに仕上がるはずだったのに、なんともまぁ、濃い紫色になってしまいました。 これじゃぁ、苺を名乗れない…ウワーン(号泣) 
石けん作りのワナのドツボの落とし穴に、はまってしまった典型パターンの展開です。 ウルトラマリン(ピンク)は、鹸化すると色がこういう風に濃くなるんだぁ。加減を知らなかったとはいえ、ガックリです。
とにかく、フォークで筋模様をつけてから、さらに24時間、乾かします。
その後のカッティングのシーン。 何やら、紫色をしていて、どーんとしていて、芋虫みたいで面白かったので、写真撮影。 
そして、ここまでこの紫石けんにつきあっているうちに、これが何に一番近い色なのか、すなわち、ネーミングにも関わってくる重要なことに思い至りました。 そう、あの「紫芋」です。 鹿児島に行った時に賞味した、紫芋のきんつばと、色も質感もそっくり。 苺じゃなくて、お芋になってしもうた…。


ということで、「紫芋ロールケーキ石けん(但し、香りは苺)」のできあがりです。 中に巻き込まれているのは、バニラクリームではなく、白あんとさせて頂ければ…、と思います。
少しばかり巻きが甘かったので、あんまりロールケーキでないかも。 前作品の方が「巻き」に関しては、優秀だったと反省。巻く時のちょっとしたためらいが、敗因なようです。 ロールケーキ石けんは「巻き」のシーンの気合いこそ命なんですな。 ここで石けん職人の魂魄を込めずして何とする。
とはいえ、まぁ、いいんじゃない?(←手のひら返し的な軽さか?) イメージとは違うものになってしまいましたが、いい方向に転んでくれた気がします。 これはこれでヨシとしよう。 
使用感は、定番石けんのふくふくとして滑らかな泡立ちが心地いい石けんになりました。 案外いいものができあがったと、今となってはホクホクしています。(が、想像通りの石けんを作れるようになりたいものですのぅ…)