ざぼん45号&46号(アクシデンタル塩入石けん)

zabbon2008-08-23

きれいな色の、とりわけ水色やピンクの石けんを作るのはzabbonの憧れです。 でも、ある程度自然素材を使いたい、という方針もあり、紫キャベツの絞り汁でマルセイユ石けんを作って、大変なことになった、などという事件をきっかけに、進路反転180度、ウルトラマリンの導入を英断したのが2年前のこと。そして、今日に至ってます。(とはいえ、ウルトラマリンだって、化粧品とかに、安全な顔料としてふつうに使われている着色料だから、いいんじゃないかと思いますが。)
今年のスースー石けんシリーズでは、まだ、ピンクや水色の石けんを作っていなかったので、ざぼん45号と46号のコンセプトとしました。
材料はこんな感じです。
 オリーブ(21%)、ごま油(23%)、アーモンド(23%)、ココナツ(19%)、パーム(13%)、シアバター(2%)
 色)ウルトラマリン青、ウルトラマリンピンク、パーム赤(コンフェのみ)
 香)ローズマリー、イランイラン、ラベンダー
 オプション)死海の塩(油に対して7%) メンソールクリスタル(油に対して5%)

   鹸化率91% 水分35% 型入れ時生地温度45℃  室温24℃/湿度68% 曇り  2008年6月8日作成
6月の第一週の作品ですが、天気は曇りにも関わらず、湿度は68%にもなっています。その前の週は、雨だから60%だったのに。 この日記を書きながら記録を眺めて、五月晴れから梅雨入り間近の季節の移り変わりを感じ入りました。
ところで、この石けん、本当は塩なんか入れるつもりはありませんでした。単なる事故だったのです。この辺りの状況や感想(主に不安)は、こちらにも記してありますが、メンソールクリスタルと間違えて、デッドシーソルト(バスソルト用)を入れてしまったのです。 見た感じ、白いし、半分顆粒みたいな姿形だし、まぁ、若干、塩の方が薄く褐色を帯びているし、やっぱり見た目が違うので、ちゃんとした人なら間違えるはずはないし、普通にそそっかしい人でも、きっと気付くでしょう。 しかし、お粗相道の免許皆伝レベルのzabbonは、やっちゃっいました。 ザラザラ…と入れ、なかなか溶けないところで、「おかしい〜!」と気づき、袋のラベルを見て「あっちゃ〜ぁ!」と絶句。 確信を得るため、生地をなめてみようかと思いましたが、さすがにやめました。
それでも、進めざるを得ないのが手作り石けん。最後まで歩みを止めてはいけないのです。 なぜなら、苛性ソーダが入っているから。 流しに流すと、配水管の中で石けんになってしまって、流しを詰まらせてしまうかもしれないし、ゴミ箱に捨てると、鹸化中の高温フェーズ(max70℃くらい?)で何を起こすか分からない。とにかく、油と反応させて石けんにしてしまうのが先決。 
ということで、とりあえず、メンクリを5%追加し、保温箱にセット。

とりあえず、固まりました。そりゃそうです。 そのつもりで、材料を調えたんですから、そこに問題があろうハズがありません。 しかも、色は狙い通りのピンクと水色のパステルカラー。 そこに、雪景色の如く全体に散らばる白い斑点。 これが、デッドシーソルトです。 型出しは、塩のせいで水分が発生、至って簡単でした。 凍らせる必要もなく。


カッティングの時も、非日常現象が。 切り口から水分がにじみ出てくるのです。 どうやら、塩が空気中の水を集めて、塩水となって溶け出ているからのようです。 
これに、う〜ぅっ、と呻きながら、カッティング完了及び整列の図が、←これ。  ちゃんと石けんになったし、白い点々がきれいなデザインになったので(この時点で、見てくれには案外満足してる)、取りあえず、熟成させてみることにしました。


熟成中も水がとりつくので、こまめにふきとってやるなど、塩の石けんだけあって手塩にかけました。(沈)


【ざぼん45号】                  【ざぼん46号】
 
さて、できあがりました。見た感じはきれいです。水色とピンクは狙い通り。白い水玉?は想定外。賛否両論かと思われます。 そして、表面の穴ぼこは、空気中の水といっしょになって逃亡した塩粒がいた痕跡です。 
ドキドキの使用感ですが、これが案外いい! 
お肌がスベスベサラサラになるんです。 この感覚、これまでに作った石けんにはありません。 新しいものを作ったことに驚いたのと、実際にある種の美肌効果が得られたことが嬉しくなってしまったくらいです。
もちろん、デッドシーソルトの粒々が残っているので、使う時には、塩の粒々がなくなるように丹念に泡立てなければならないし、すすぎも塩を肌に残さないように念入りにしなければなりませんが、でも、zabbon的には大満足。 次回は、沖縄のぬちまーすとか、きめの細かいローズソルトなんかで作ってみようかと思ってます。
ということで、ことわざ的には「ケガの功名」石けんとなりました。