やまぼうし


さて、暦が6月を指し示すようになってから、6日目を迎えました。なぜだか6月に入ったら、気分が落ち着いてきて、また前のように、半径3メートルに幸せを感じる心持ちが戻りつつあります。ここでわざわざ申し上げるほどのことではありませんが、5月のzabbon、なんだかシケた感じで、どんなに日差しが美しく、新緑がきらきらしてても、心のコアな部分に届くまでに距離があるというか、ぼーよーとした心持ちの日が続きました。5月が1年で一番好きな季節なのに、珍しいことです。
まぁ、3月に大震災があって怖い思いをしたし、5月の連休にはシンガポールに行って、毎日20000歩ずつ歩いたし、心身共に疲れたのが原因の、5月病の重いタイプにかかったのかもしれません。周りを見回すと、多かれ少なかれ、そんな症状をひきずる方は少なくありません。
でも、最近ようやく浮上。
そのきっかけになったのがやまぼうしです。やまぼうしは、4月に咲くハナミズキの純日本版の樹木ですが、緑色の葉っぱの上に、真っ白な花を空を向け、風にそよがせながら咲かせる樹木です。花だけでなく、緑色の葉っぱや樹木の形を含めた全体が、それはそれはきれいな樹木なのです。
嬉しいことに、zabbonが住んでいる街には、やまぼうしがいっぱい植わっているのですが、でも、とある運河の向こうに、ポツンと1本、でも、葉っぱが全く見えないくらいにたくさんの花を咲かせて真っ白に空を見上げていたやまぼうしは格別でした。
ひと目みた瞬間、あまりのきれいさ美しさに、頭の先からつま先に向かって体の中心線を、びりびりと稲妻が走り抜けたような感じがしました。ぼーよーとした心持ちをひきずっていたzabbonにとって、まさに衝撃的なできごと。びりびり音がしたかもしれません。なんだか目が覚めた感じがしましたっけ。
これが、zabbonの復興の兆しでした。あれ以来、感動回路が甦り始め、楽しいとか、嬉しいとか、わくわくというのを思い出すことができるようになりました。やまぼうしに感謝です。