戻り鰹の漬け丼

秋は、青魚がおいしい季節です。サンマを筆頭に、アジ、イワシ、サバ、そして、カツオが、お腹周りに脂を乗せて、潮の流れに乗って、ニッポンの食卓にやってくるのです。全く以て、どれもこれも、みんなおいしく誘惑するものだから、どなたを選ぶべきか、どう調理さしあげるべきか、ごはん検討会議ごとに迷いに迷うのです。
で、拙宅のトレンドは毎年異なります。たしか去年は、イワシの塩焼きにオリーブオイルをタラタラと垂らし、コリアンダーを彩りよく散らしたものがブームでした。ばっかみたいに、そう、夏の終わりから冬の始まりまでの間に、10回は食べたでしょう。そのくらい、とりこになりました。
で、今年は、というと、カツオです。たしかテレビで、宮崎県の鰹漁の話をやっていたのを見て、おいしそうだなぁ〜と思った矢先、スーパーにて、それはそれは見事に脂ののったカツオの半身(というのか?)が、つやつやと福々しく、何本も冷蔵棚にお並びになっているところに出会ったのです。少々大きめでしたが、しかし、あまりにもおいしそうだったので、サンマもイワシもサバも飛び越して買っちゃいました。
それをどのようにして、頂いたかというと、漬け丼です。これがまた旨い。
うちでは料理は主に家族が、趣味として行うので、あまり詳細はしらないのですが、醤油、みりん、酒の中に、すりごま、しそやミョウガの刻み、青ネギなどを薬味として加えて、つけだれを作ります。
ここに、スライスしたカツオを浸して、置くこと長くても30分。スライスするのは、なぜかzabbonなのですが、案外、へたでないです。これを、熱々の炊きたてご飯の上に、姿形佳く並べ、そこに薬味及び飾りのミッションを負わせたミョウガの千切りを重ねあげます。
ほうら、ピンク色がかったカツオのひとつひとつが、なんと光を放ち、おいしそうなこと。本来、赤暗い身がピンクがかって見えるのは、ひとえに、うっすらとまとっている脂のせい。見た目を裏切ることなく脂がのっていて、これが真っ白な新米と出会うと、爆発的においしくなるのです。
かくして、2011年の我が家のトレンドは、カツオであることが確認できたのでした。