(なぜか)ぼくの地球を守って

なぜか、ここんとこ数日、日渡早紀さん著、のこの作品の名場面が頭に浮かぶことが多いです。
感受性の高い時期に感銘を受けたせいか、今でも数年おきにこうなりますが、全巻大人買いしたのも、前の前のこういう時でした。
その昔、花とゆめに連載されていた頃は、単行本が発売されると、その購入権を、妹と激しく争ったくらい、トリコになってしまっていたものです。
多いんですよね。記憶に鮮明に残る名場面と名ゼリフが。
そもそも、設定自体が最強クラスだと思います。
当初は、1人おとなしく再読すべし、と思ったんですが、「ざぼん」に書かずにいられようか。いや、いられまい、ということで書くことにしました。

設定自体が衝撃的ってことなんですが、それってこんな風です。

まず、主人公の亜梨子(高校生・女子)には、前世があります。それだけでも、ここ最近の前世ブームに後れをとりませんが、その前世は、日本人でないばかりか、地球人でもありません。なんと、地球じゃない惑星に住んでいた宇宙人の女性で、モクレン/木蓮(本名はもっと長い)といいます。
その惑星群の科学文明は、地球よりもはるかに進歩しています。
そこに住む人間の約10%がテレパシーや念動力を持っているので、超能力など珍しくも何ともない、というSFな設定です。
モクレンも当然、超能力を持っていますが、しかし、それは、並の10%のとは別物の、1億人に1人しかいない、際立って特別の存在です。この能力を持つ人はキチェスとよばれていますが、突然変異でしか生まれません。その能力は、植物とコミュニケーションできることです。
しかも、モクレンは美人です。特別な存在のキチェスといっても、基本は普通の人間なので、必ずしも美人で生まれるというワケではありません。ですので、これもまた、ものすごいことです。
それに加えて、腰まで届く豊かな黄金の髪。(日本女子は、金髪ロングに特に弱いです)

この、無敵なシチュエーション故、周囲の人間達(特に男性)には、
 「それだけで空気が変わる。包まれて安らげる。本当に大気のような女性ー」と称えられています。(一度でいい、言われてみたいものだ。) そして、読者は、主人公・モクレンに感情移入をするものなので、ここですっかり魂を抜き取られ、ポーッとなるというしかけです。

しかも、ドラマティックな運命も携えています。(こうでなきゃ)
30年以上に及ぶ戦争が母星系で続くさなか、6名の仲間と共に月基地に派遣され、毎日、くるくる回る青い地球を眺めながら暮らします。(←個人的にはここが一番うらやましい) その間、メンバー間の恋愛問題などなど、トラウマを残しかねない、月9ドラマ的な出来事が…。
そして、そうこうしているウチに、母星系が惑星間戦争で全滅。生きとし生けるもの、全てが宇宙空間に吹っ飛び、かれらが唯一の生き残りとなります。当然、月メンバーは大パニックです。
でも、その後、地球に移住するという決断をすることもできないまま、突如発生した、伝染病で次々と死んでいきます。

物語は、彼らの生まれ変わりの高校生と、月基地の前世の人生とが、交錯しながら進みます…
前世もの(しかも宇宙人からの転生とワ!)、超科学、超能力、星間戦争、地球と月と宇宙、美貌と金髪を持つヒロイン、恋愛模様…などなど、魅力的なキーワードとアイテムが満載です。
やっぱ、大人になった今でも、時折読みたくなるのは、しかたないかも。しばらくの間、ネタバレにならない程度に続けようっと…
(「はまぞう」から、漫画本の表紙ぐらい引用しようと思ったんだけど、表紙が掲載されていないんです。けち。)