石けん実験室「マーブル編」 「鉱石的リアル・マーブル」

これまで、石けん実験室 第1回イベント(マーブル石けん篇)に参加するために、マーブル石けんの練習に励んで参りましたが、いよいよ本番。 5色が難しいことがわかったので3色に減らしました。そして、前作のトレース出すぎを反省し、今回はゆるゆるにて。
使う生地と、それによってできる石けんの想像図。(パワーポイントにて作画)は以下の通り。


 (生地その1)水色。けど、オリーブオイルの黄色と混じって緑色です。
 (生地その2)ピンク。やっぱり、黄色っぽいピンクになってます。
 (生地その3)茶色。ココアでくっきり茶色です。


(その1)の水色と(その2)のピンクが緩やかに混ざり合う中を、(その3)の茶色い筋がレースのように優雅にうねる、たぐいまれな三色マーブル石けんに仕上がるはず。 5色の迫力はなくとも、それなりのものになるはず。ふふふ…


で、まずはじめに、水色とピンクの生地をフワリと混ぜます。が、生地がやわらかすぎる! マーブルじゃなくて、パープルになっちゃいそう!

そうなる前に、なんとなくなじませるくらいでとどめて3色目の茶色を投入。 用心して、少しずつ、細い筋で編み目のようにたらしますが、入れる端から底に沈んでしまいます。 
この写真は、茶色の生地すべてを流し込んだすぐ後ですが、最後に垂らした分が辛うじて表面に浮かんでいる状態です。たぶん、このまま置いておいたら全部沈んで、底の方にたまってしまうんだと思います。


で、いつもだったら、ここでかき混ぜてから型入れするのですが、今日は絶対キケン。 なので、何もせずに、この写真の状態のまま、一気に流し込みました。
その直後の状態がこれ。こうしてる間にも、じわりじわりとマーブルがほどけてなくなってしまいそうで心配で不安…。できあがってみたら、たんなるベージュの石けんになっちゃってたらどうしよう…。



・・・・・・・・・・・
そして、翌日。
ベージュ色の石けんになることもなく、そこそこのマーブル模様にできあがっていました。 模様としては、悪くないんじゃないかと思われます。 型入れする前のボールの中での生地の合わせ方のせいなのか、型に入れる前に何もしなかったせいなのかは、よくわかりませんが、ともかく、こういうマーブルができました。
でも、もっとびっくりしたのが石けんの側面のさわり心地。
ホントの大理石、つまり、磨き込んだ鉱石のマーブルのようにツルツルとした滑らかさなのです。触るとツルツルキュルキュルって音がしそうなくらい。 こんなの作ったのは初めて。


この表面の滑らかさ、ゆるゆるトレースのせいなんじゃないかと…。 ひょっとしたら、苛性ソーダ水と油の分離一歩手前といってもいいくらいのギリギリのトレース状態だったのかも。(コワ…&冷や汗)。 いずれにしても、石けん生地がゆるゆるだと、石けん生地がモールドの壁面にピッタリ密着して、こんなふうに隙間のないツルツル具合に仕上がるってことを、この実験で学びました。

だから、この固まりでもって「できあがり!」としようと思ったのですが、中の模様も見てみたいので、カッティングしました。
…が、あれれ?三色マーブルはどこへ? 
想像図と比べてみて下さい。ピンクと水色はどこへ…? どこかに行っちゃいました。うっすらと水色っぽさとピンクっぽさが、残っているような気がしますが、おそらく錯覚でしょう。
結論。
想像図と全然ちがうものができちゃいました。ちっともマーブルの鍛錬に繋がっていません! ええ、ええ、石けん作りって、こういうところも面白いんですよね!!!(←ヤケのやんぱち。) 
それから、ゆるゆるトレースだと、つるつる滑らか石けんに仕上がることもわかりました。 この発見にちなんで、名前を「鉱石的リアル・マーブル」と名付けました。この「リアル」の意味は、決して"美しいマーブル模様"、というわけではなく、単に表面のツルツル具合が、いかにもホンモノの「石(stone)」のようであることを記念しただけの命名です。
今回の実験室参加の成果は、マーブル模様ではなく、「大理石(マーブルストーン)のようにつるつるした石けん」の作り方の発見にありました。 zabbon的には大発見だったのですが、実験室の主旨としてはいかがなものでしょうか。
以上、石けん実験室「マーブル編」の参加レポートです。こんな風にダジャレで終わってしまいましたが、全然狙ってのことではないんです〜。 でも、マーブルを巡る試行錯誤、本当に楽しかったです。
O嬢様、そして、お手伝いされた皆様、参加させて頂いて本当にありがとうございました!

<レシピ>
オリーブオイル 56%  スイートアーモンド 14% ココナツ 19%  パーム  11%  シアバター 2% 
鹸化率90% 水分35%、  (香)ローズマリー、ラベンダー、オレンジ、ユーカリ



◆11月25日追記
この「鉱石的リアル・マーブル」石けん、「透明感がある」、「つるっつるでひんやりしていそう」、「ココアがくっきりしている♪」等々たくさんのお褒めの言葉を頂きました。zabbonも気がつかなかった美点をお示し頂きました皆様、ありがとうございます! 
もともと作ろうと思っていた石けんとは違うものができあがっちゃった、という、でたとこ勝負的いきさつもありますが、これはこれでなかなかの出来映え。 で、その理由を考え、こんなんじゃないかと思ったので、追記します

・表面つるつるとひんやり感 → ゆるゆるトレースとアクリルモールド。(上記本分にも記載。これには気がついてました)
・透明感(表面から1〜2ミリ下が透けて見えていること)
(理由1)薄いピンクと青
どこかにいっちゃったと思っていたピンクと青。でも、コメントで皆さんが「青とピンクが見えるよ〜!」って教えて下さったので気がついたのですが、確かに地の色が、ごくごくうすいピンクと青になってます。これが茶色いマーブル模様を際立たせる「色の対比効果」を生んだのかも しれません。お化粧する時に青い下地クリームを塗るのと同じ理屈です。ぱっと見てすぐにわからない着色具合がミソかな〜。 
(理由2)マーブルの茶色が濃いこと
マーブル模様が普段に比べて濃いみたいで、そのせいか、いつもより深いところ(1〜2ミリ下)まで透けて見えます。↑上の(理由1)との相乗効果もありますが、茶色が濃いから、ってのもありそう〜。 だとしたら、ゆるゆるトレースに「細く網目状にたらした後、何もしないで型入れしちゃった」のが、茶色い生地をより濃く、ぼやけさせることがなくてよかったのかも☆
こんな感じです。反省点もいっぱいありますが、1人では気がつかなかったことを、たくさん気づかせて頂いたことだけでも、このイベントに参加させて頂いてよかったなぁって思います。 あらためて、ご関係の皆様にお礼申し上げます!

☆★お知らせ☆★
ただいま『「石けん実験室 第1回イベント(マーブル石けん篇)」の技術貢献賞をみんなで選ぼう!』というのをやっています! 石けんのデザインやセンスではなく、「作り方」や「テクニック」などの技術的な点で秀逸な石けんを選ぶためのアンケートです。手作り石けんにご興味がある方や、今回のイベントに参加できなかったソーパーさんの投票もお待ちしております。しめきりは11月28日です。短い期間ですが、お気軽にご参加下さい☆
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